
引用:シマノHP
今回は、昨年末に発売されたシマノのシーバスロッド「エクスセンスジェノスシリーズ」についてインプレを書いていきます。
エクスセンスインフィニティがリリースされてから間もない時期での発売とあって、どこに差があるのか?と私たち釣り仲間の間でも話題になっていたロッドです。


エクスセンスジェノスとは?
まずはジェノスとはなんぞやについて解説していきます。
エクスセンスジェノスの概要
シマノのHPにはジェノスについて次のように記載されています。
劇的進化の個性派集団
シーバスゲームにおける極上の感覚、感性、感動…。
これらの“究極の感” を追求してきた「エクスセンス」。
根幹となるコンセプトはそのままに、時代に先駆けた先進テクノロジーを取り入れることで変貌を遂げてきた。
「エクスセンス∞」では、軽さと強さの両立を命題に、常識の打破に挑戦した。
限界を超越した「エクスセンス∞」のリリースを経て、新たなステージへと歩を進めた「エクスセンス」。
進化の結実をすべて享受し、“種族” という名を与えられた第三世代、それこそが「エクスセンス GENOS」。
各アイテムは、それぞれのコンセプトに応じ、幾年もかけて磨き上げてきたOne by One の独自設計を採用。
すべてのアイテムにシマノ独自のテクノロジーを最大限に取り入れることで、平均で前作比約12%、約19gという驚異の軽量化はもちろん、感度、強度、操作性、…、あらゆる基本性能は劇的に進化を遂げた。
戦闘能力を特化させた個性派集団が、極みを追い求めるアングラーに本物の一本を提案する。
引用;シマノH P
エクスセンスインフィニティはよく言えば非がない素晴らしいロッド、悪く言えば没個性的という印象でした。



ジェノスはこれまで築いてきたシマノシーバスロッド最高峰としてのブランド【エクスセンスシリーズ】の良さをそのままに最新技術を取り入れた5つの尖ったコンセプトの元に開発された変態モデルなのです。

引用;シマノ
個性派のプロアングラーが開発に携わりロッドを開発しました。


S810ML/R(リスペクトザサンクチュアリー) | 辺見 哲也 |
S92ML/F-3(テクニカルパスファインダー) | 泉 裕文 |
S96M/R(グランドスティンガー) | 鈴木 斉 |
S90MH/R(ワイルドコンタクト) | 松岡 豪之 |
S97MH/F(ダークフォース) | 嶋田 仁正 |


採用されている技術
ジェノスにはシマノが保有している最新技術が惜しげも無く採用されています。
特徴的なものを説明していきます。
スパイラルXコア | 従来のスパイラルXに東レの新技術「ナノアロイテクノロジー」により実現した高強度樹脂を用いたカーボンテープを巻きつけ。一般的強度に対してねじれ強度1.4倍、つぶれ強度2.5倍を達成。 |
カーボンモノコック | カーボンで一体生成された中空のグリップを採用することで凄まじい高感度ロッドへ。 |
Xガイドエアロチタン | 軽量・大口径のガイドを採用することで飛距離アップ、ラインダメージを軽減。 |


スペック表
詳細のスペックは添付の通りです。
全体的に非常に軽量に仕上がっており、ルアー適合範囲も幅広く設定されています。
間違いなく皆さんのフィールドに適合するモデルがあると思いますよ。
ココがポイント
・ジェノスはシマノ最高峰のシーバスロッドエクスセンスの良さをそのままに最新技術を取り入れた5つのコンセプトに基づく変態シリーズ
・5人の変態プロアングラーが開発に携わっている
・個性を求める初心者からベテランまで使えるロッド
どのモデルを選択すべきか?
5つのモデルが販売されており、どれを購入すれば良いか迷う人もいると思います。
釣りバカ道場の視点で各モデルの特徴およびパターンについて解説したいと思います。

S810ML/R(リスペクトザサンクチュアリー)
辺見氏が携わったモデルであり、サンクチュアリーとは「聖域・自然保護区」という意味です。
特徴的なのは810(2.69m)という長さとRテーパー。
シーバスのバイトや急な反転でも対応できるようバッドからしっかり曲がっていなす事が可能なクッション性が高いモデルです。
港湾部や河川(小中規模)、干潟がメインになると思いますが特にオススメしたいのがキャスト時に制限のかかる場所での使用です。


こんな人へオススメ
・港湾、中規模河川、干潟をメインフィールドにしている人(サーフや磯場は厳しい)
・ウェーディング等キャスト時に制限が掛かる場所をメインフィールドにしている人
・シーバスと喧嘩せずにいなしながら時間をかけてじっくりファイトを楽しみたい人
・ラインブレイクやエラ洗いによるバラシを軽減させたい人
S92ML/F-3(テクニカルパスファインダー)
コアマンでおなじみの泉さんが開発に携わっています。
特徴的なのはソフチューブトップの採用と3本継のモデルというところです。
ソフチューブトップはシマノ独自の技術でしなやかなのに張りもあるティップでワーム等の繊細なルアーをコントロールする時に威力を発揮します。
(私はこのモデルは持っていませんが、ソフチューブトップを採用しているセフィアCi4を持っているので感覚はわかります)
3本継については異なる特性を持つティップ(繊細)とバット(強靭)を繋ぐために間に緩衝材としての2番を継いだと想像できます。持ち運びにも便利ですし電車移動のアングラーにとってはかなり魅力的なのではないでしょうか?
92という長さは適度であり港湾〜河川〜干潟をこなせるオールラウンドモデルと言えます。


こんな人へオススメ
・港湾、中規模河川、干潟までこなせるオールラウンドモデル。
・ワームや小型ミノー等を繊細に流れに馴染ませる釣りを得意とする人。
・初心者というよりかは中級者以上を想定(初心者でもレベルアップしたいと思っている人)。
S96M/R(グランドスティンガー)
鈴木氏が携わったモデルです。
特徴的なのは96という長さ・ミディアムでレギュラーテーパーという硬さ・調子。
つまりジェノスシリーズでも一番スタンダードモデルという事です(先ほどのキャラクターマップでも中心点に近い場所に位置付けられています)。
96という長さは一番汎用性が高く、港湾〜大中小規模河川〜干潟〜サーフ〜磯場と全てこなせます。
ティップが繊細なのでシーバスの吸い込むバイトも弾く事なく追従してくれるため非常に扱いやすいと思います。


こんな人へオススメ
・港湾、中規模河川、干潟、サーフ、磯までこなせるオールラウンドモデル。
・ワームや小型ミノーから大型ミノーまで使える汎用性が高いモデルを求めている人。
・春先の稚鮎から秋の落ち鮎〜コノシロ〜ハタハタまでをやりたい人。
・初心者から上級者まで無難に使いたい人。
S90MH /R(ワイルドコンタクト)
松岡氏が携わったモデルです。
特徴的なのは90という長さとMHという硬さ。
おそらく松岡氏は90という長さを小場所やウェーディング時に使うことを想定して設計したんじゃないでしょうか?
またMHクラスという事でどちらかと言えば大型ヘビールアーを使用する秋冬の河川シーバス(落ち鮎やコノシロ)をターゲットにしていると思います。
90はウェーディングでも取り回しやすいですしキャストしやすい長さでもありますね。


こんな人へオススメ
・港湾、中規模河川、干潟をメインフィールドにしている人。
・秋冬の落ち鮎やコノシロパターン等に焦点を置いている人。
・ストラクチャーにタイトに着いた魚を強引に引き剥がす必要がある人。
・棒のような硬さを求める人。
S97MH/F(ダークフォース)
ダークフォースは神様と鬼さんが所有しているため次の項で詳しく解説します。
97MH/F:ダークフォースの実釣インプレ
97MHのダークフォースは私と鬼さんが所有しているため、実際に使ってみたありのままのインプレを紹介したいと思います。


ダークフォースの概要

引用:シマノHP
嶋田氏が開発に携わったモデルであり、特徴的なのが97というロングロッドかつMHというハードながらファストテーパーというしなやかさと強靭さを兼ね備えたモデルということ。
あと重量が143gしかないので非常に軽いです。


ティップは繊細さがあり、シーバスのショートバイトも弾きづらくかつ流れのキツい流心から90オーバーも引き寄せてこれるバッドパワーがある素晴らしいロッドです。
かなり強めの大味ロッドを想像している方もいるかもしれませんが違います。
嶋田氏の表現する【日本刀のような】がしっくりくる切れ味鋭い一本調子のロッドです。

どんなシチュエーションで使うか?
フィールドは正直、港湾〜大規模河川〜サーフ〜磯場と場所を選ばないです。
適合ルアーウェイトも8~48gあるためワームでも小型ミノーでもこなすと思いますがやはり大きめのルアー(特に落ち鮎やハタハタで使うようなビッグミノー・シンペン)を使う釣りがこのロッドには向いています。
つまり秋・冬のランカーシーバスが相手となる落ち鮎パターンやコノシロパターン、ハタハタパターン等にしっくりくるロッドです。

逆に稚鮎等の小型ミノーで小型シーバスを数釣りができる春は別ロッド(92MLなど)を選んだ方がいいでしょう。



実物写真
これがXガイドエアロチタンです。軽量で糸放出がスムーズかつ風抵抗も少なく設定されています。
これがカーボンモノコックです。円錐状の形状からグリップしやすくかつ高感度です。
こんな人にオススメ
・ビッグミノーを使ってランカーを獲りたい人
・リバーシーバスにチャレンジしたい人(激流から大型シーバスを寄せる必要がある人)
・ストラクチャー周りで強引にランカーシーバスを引き剥がすなど主導権を持ちたい人
・キレ味鋭い日本刀のようなロッドに憧れる人
自信を持ってオススメする3つの理由
ここまでエクスセンスジェノスシリーズを紹介してきました。
シマノのフラッグシップモデルとして間違いなく最新鋭の機能を持たせた最高峰のロッドだと言えます。
ちょっと高いですけど手にした瞬間、幸せになれるロッドです。
まとめとしてこのジェノスシリーズをオススメする3つの理由を書いて終わりにします。
理由①:どんなシチュエーションでも対応できるラインナップ
5つのシリーズを細かく見てきましたが、一つのロッドで全てのシチュエーションをカバーできないものの一本一本は特定のシチュエーションに非常に特化していると思います。
皆さんのよく行くポイントのシチュエーションと照らし合わせてこれだ!と思う一本があれば是非検討してもらえれば。
ロッド特性だけ見ればそのポイントで無双できるくらいの性能を持っているでしょう。
理由②:飽きがこなく使えば使い込む程味がでる
インフィニティのように万人受けするロッドは正直飽きも早いです。
ジェノスは癖のあるロッドなので毎日違う気づきがあります。
その癖を発見しながら色々な釣り方を考えて適用できるため釣りも上手くなれるんじゃないかな。
理由③:コスパが非常に良い
このクラスのロッドの対抗として上がるのは同じエクスセンスインフィニティやモアザン、Gクラフト等のロッドになるかと思います。
実売価格を考えるとこの性能でこの価格なら間違いなくコスパがいいと言えます。


是非皆さんも高性能シーバスロッドの導入モデルとしてこのジェノスシリーズを検討してみてください。
また新たな気づきを発見した時は順次追記していきたいと思います。